愛撫の刑

「服を上げて」

 処女には厳しすぎる命令がとうとう下された。私の懇願なんて彼女にとっては全くの逆効果でしかなかった。
 軽くパニックを起こした私は戦慄せんりつすると、なぜだろうか、ゾクッと痺れるほどの興奮を覚えた。
 自覚はしていたが、私にはおそらく被虐嗜好ひぎゃくしこうがあるのだろう。理佐に蹂躙じゅうりんされることで、自分でも呆れたくなるほど、熱くてエッチな汁でアソコを潤ませていた。

「そ、そんなの……無理だって!」

 首を強く横に振ったら、理佐は急に、犬が伏せをするように、ベッドに顎をついた。それから、覗き込むようにうきうきした顔を近づけてきた。思いっきりパジャマを下げる。広げられた襟元えりもとからは小さいカップの、ブラジャーの紐が覗いている。
 理佐は急かすような上目遣いで、私を見つめながら言った。まるで、クーンとでも言いたげに。

「見せて?」

 理佐は、ずるい。ファンにも、メンバーにも、“ツン”と、媚びるような態度を見せない分、そのギャップに戸惑いながらも、たまにしか見せない“デレ”の愛苦しさが女心をくすぐるのだった。
 そして、志田との情事を匂わせるようなシャンプーの香りが漂ってきたのが胸を掻き乱す。それが、私の“女の意地”に火がいた。

(私だって、志田ちゃんに負けないくらい……)

理佐に可愛がられたい––––。

 その一念だけで、卑猥で酷な命令に従った。
 液体通り越して気体化した脳みそ。ポロポロと剥がれていく優等生の仮面。

 私は生まれたばかりのひなのように、小刻みに震えながらパジャマをあげた。
 脚で隠そうとするも、理佐は私の処女おとめ心など情け無用に左右に大きく開く。刺激強めのグラビア写真などでよく見る、破廉恥はれんちなM字開脚ポーズ。股間をさえぎるものはなにもない。蛍光灯が明るく照らされる中、私の処女の花園が露わになる。

 青臭い劣情を遥かに凌駕りょうがする羞恥に襲われ、怒りなのか悔しさなのか恥ずかしさなのか、よくわからない感情が灼熱しゃくねつなマグマとなって全身を呑み込んでいく。
 きつく掴んだパジャマの裾に顔を埋め、喉を振り絞るようにしてやっと声を出した。

「見な、い……で」

 しかし、理佐の反応は意外なものだった。驚いたような声を上げたのを、私はヒヤリとする。

「えっ、マジ? 毛ないの?」

 私は高校に上がってもなお、下の毛が生えてくる気配はなかった。胸だけではなく、下も発育されていない未熟な身体はコンプレックスの塊でしかない。
 なんだかみじめになった気がして、半べそ状態だった私はパジャマを下げようとするのを、制止されてしまう。
 彼女は珍しいものでも見るように、私のアソコを凝視している。

「うわ、高校生でそんなアソコっているんだ」

 どうやら私は“高校生のアソコ”じゃないみたい。そもそも、他の女性のアソコなんて見たことないからわからないけど。

(ああ、志田ちゃんのを見ているからかぁ)

 嫉妬が更に全身を熱くさせた。

1件のコメント

コメントを残す