2016年10月22日。
横浜アリーナにて開催されたPERFECT HALLOWEEN 2016。
銀色の煌めく鷲章を取り付けた黒い軍帽を被り、漆黒のマントを靡かせながら私たちは行進する。まさに屈強の帝国軍を思わせる軍装で惚れ惚れする造りだ。しかし。私は心の奥のどこかで不満を感じていた。
(私たち、アイドルなのになんで戦場に行きますって感じの服を着てんだろ)
格調高く敬礼したって、所詮はアイドルの戯れにすぎない。
「サイレントマジョリティー」から一貫して軍隊を連想させる軍服路線が私は気に入らなかった。某雑誌の撮影でも、私たちは武器を手にして戦うアイドルを演じた。欅坂のコンセプトが完成された瞬間だった。
プロデューサー秋元先生はセンターに立つ子の持つカラーを見出して、それをグループ一色に反映すると聞いたことがある。もしも、私がセンターならば絶対こんなカラーじゃなかった。私の今後の芸能活動にイメージが定着してしまわないか不安でならない。
笑顔の仮面を被って観客達にハロウィン仕様のお菓子を振りまく。ハロウィンライブは大盛況で終わった。しかし、私たちのハロウィンは明けていなかった。
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