「あ、そうそう。最近、なんか上司に言い寄られたんだけど」
「えー、それやばくない? 茜可愛いもんねー」
「それでどうしたん? まさか……」
紹介しよう。高級ブランド品で全身を固めて、自信たっぷりな口調で話している女性は守屋茜。彼女こそ今回の物語の主人公だ。
「もちろん、断ったよ。当然じゃない?」
茜はそう答えると、ワイングラスを揺らしてから口へ運んだ。そして、ほおづえをついて「私だって馬鹿じゃないし。遊ぶ相手は吟味しますから」と、得意げに語る。
「さっすがぁ~!」
「茜、この中で一番女の人生謳歌してるじゃん!」
一流大手企業勤めのルーキー。上流階級出身のお嬢様。小中高と続けて副生徒会長を務め、成績優秀、部活のテニスでも輝かしい成績を収める。おまけに、女子力も高いパーフェクトウーマン。
「茜、経験豊富~!」
「若いうちに色々しとかないと損って感じ?」
守屋茜。24歳。処女––––。
こじらせ系女子
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