私の自慢の親友

 仕事もお互いプロ意識を持ってこなしたお陰で順調に進み、何事もなくロケ撮影は終わった。正直、かなりの労力を使った。今すぐベッドにダイブしたい気分だった。

 

 今日のスケジュールは終わり、後はホテルに泊まるだけのはず、が。指原さんがさっきから私と咲良を交互に見ながらニヤニヤしてるのが気掛かりだ。

「えーでは、部屋割り発表します」

 謎に盛り上がるHKT48のメンバー達。流石、年齢層が低いだけある。指原さんが子供達をあやすように静かにしてと制したのち、おほんと咳払いした。

「○○号室 咲良ちゃんと村重ちゃん」

 酷な組み合わせが、悪大名のような微笑みを浮かべる、その口から告げられた。

「えぇーっ!?」

「えっ!」

 喧嘩真っ最中の私たちが相部屋になることは予想だにしなかったらしく、お互い驚きの声を漏らすばかり。

「二人とも、どうしちゃったのー? 仲良いからペアにしたんだけど、驚くほど嬉しいんだ?」

 指原さんはおどけつつも、気持ち悪いくらいにやけ顔を浮かべていた。指原さん間違いなく気付いてるな。
 ここで、また咲良と視線がぶつかる。すると、今度は咲良の方が「ふんっ」とわざわざ声に出してそっぽ向いた。腹立つ、というより悲しい感情が来た。

 部屋割り全て発表された後、一旦解散ということになった。皆、はしゃぎながらそれぞれの部屋に向かう。
 二人取り残された私と咲良。私は咲良の顔を伺いつつも部屋に向かうと、後ろから咲良が付いてきてる気配が伝わった。

もう駄目。限界だ。部屋に入ったらちゃんと話し合おう。

 ドア開けて荷物を置いて、咲良と向き合おうとした。しかし、咲良はこっちに頓着する事もなく寝着や化粧品などをせっせとまとめて部屋を後にしようとしていたので、慌てて止める。

「さくらたん! ちょっと話が……」

「今日、指原さんのとこで寝るから。 一人で思う存分はしゃげるよ、よかったね」

 こちらを一瞥もせず、ドアを少し乱暴に開けて出て行った。そして一人残された私に聞こえたのはガチャン、と無機質に響いたドアの音だった。
 咲良が何したいのか、何考えてるのか分からなくなった私は悲しみに閉ざされた。涙腺が崩壊して、子供のように泣きじゃくりながらベッドに潜り込んだ。

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