渡邊side
いきなり発狂した平手を介抱し、ちん子ちゃんが用意してくれた部屋にお邪魔して、ぐったりと意識を失っている彼女をベッドに寝かせる。
「本当なんなの」
エロしかない展示館だし、
かと思ったら看板娘は思いっきり美人だし、
平手は謎の厨二病発揮するし。
愚痴をこぼしてると、プルルルルと理佐のポケットからスマホが鳴る。確認すると、マネージャーの長沢から電話が来ていた。画面をタップして通話に出る。
「秘宝館、着いた?」
「うん、着いた。なんか、よくわからないところだし、雰囲気が苦手で早く帰りたいよ」
「えー、面白いところだよ」
長沢の言う「面白い」は一般の感覚とはかけ離れている為、あてにしてはいけない。
「普通じゃない長沢に言われても」
「そこの尾股おめ子館長が更なるエロスを求めて旅に出た代わりに、二人娘に任せてるんだよ。ちん子ちゃんとまん子ちゃんって言うんだけど」
「はぁ……」
(なんて凄まじい名前。私だったら即自殺するわ)
「ちん子ちゃんと、まん子ちゃんは神の手の持ち主なんだよ」
「待って、なんで詳しいの? そんなに」
疑問を問いただすも、長沢は無視してそのまま続けた。
「ちん子ちゃんの神の手は、相手の股間に触れただけで男性器は漲って、女性器は締まり良くなって濡れるんだよ」
「そう……」
「まん子ちゃんの神の手は、相手の股間に触れただけで形状や状況を当てられるの。病気も当ててくれるとか」
「へぇ……」
「だって証拠に私のミミズ千匹当てられたし」
(さりげなく自慢入ったなこいつ)
「面白い店だし、面白い二人だよ。楽しんで来てね」
なにがなんだかわからないまま、通話を切る。頭が痛くなってきた。
「うぅ……ん」
横になっていた平手が呻きながら目覚める。
0