「えっ、『淫乱女への復讐劇』?」
「私の新作、完成したの。だから音読して欲しい」
一瞬顔を顰めたものの、言う通りに音読をはじめる。まずはタイトルを口にした。
「えっと、淫乱女の復讐劇––––」
ページを捲り、羅列される活字を音読する。
「僕は浮気する淫乱な彼女に辱めを与えようと、手を伸ばした」
なんて冒頭だ。心の中で呟いてると、文章とシンクロさせるように織田が手を伸ばしてきた。指先が首へ滑らせたのを敏感に反応した。
「んんっ!」
「ちゃんと読んで。じゃないとお預けにするよ」
私はつい生唾を飲み込んでしまった。織田の黒い瞳の奥で、静かに燃える情欲の炎を見たからだ。私に発情してくれてるのを感じ取り、嬉しくなって続きの行を声に出して読む。
「バスト90センチはある、みごとな乳房が窮屈そうに……」
私のバストサイズだ。付き合い当初に可愛がられまくった記憶が蘇り、身体が熱くなっていく。
「彼女の服を剥くように脱がし、あっ、やっ!」
浴衣の帯が解かれて、シュルシュルと衣擦れの音を微かに立てながら、左右に大きく広げた。久しぶりの羞恥に、反射的に本を持っていない方の手で双胸を抱くようにして隠す。
「やっぱりブラジャーしてなかったね。さっきから勃ちっぱなしなの、もろ分かりだよ」
「やっ……」
「ほんとすごい乳だこと」
私の胸の隠している腕を退けて、掴んで持ち上げた。
「はぁ、ぁ……ん」
「小玉スイカサイズだよねぇ、これ」
乳房を持ち上げられただけなのに、身体が疼いた。下着の湿り気がどんどん広がっていく。
溢れ出てしまう嬌声を封じようと口を塞ぐと、また退けてきた。
「お・ん・ど・く!」
諭すように促されて、慌てて続きの行を探す。私はすでに涙目だった。
「可憐な美貌に残る幼顔にはどこか愛くるしいものがあるのに、肉体の方は熟女顔負けの官能的な肉体が露わにな……はっ!」
織田は私のボディの曲線をいやらしく撫でてきた。くびれに指を滑らすと、身体がぴくっぴくっと震えた。
「この体はあの男に可愛がられた恩恵かもしれないね」
心臓に棘が刺さったように痛くなる。今の暴言に近い陵辱言葉が私の罪悪感を覚えさせるとともに、不覚ながらも性的興奮を刺激するのであった。
男と行為に及んでいる時に見つめてきた織田の冷たい視線、そして異常なプレイを思い出して股間が熱くなる。
織田を軽く睨む。
(私だってやりたくてやったわけじゃない! そもそも––––)
「おっと、続けてよ」
またはぐらかされた。どうも、織田には身も心も全て掌握されている気がする。腑に落ちない気分で続きを音読する。
「他の男を惑わせた魅惑の乳の先端を彩る……乳輪は、は……」
次は乳輪をなぞってきていた。呼吸が浅くなる。スローペースで撫でてきているのが、かえっていやらしく感じた。
指が先端に到達すると、ぐにぐにと私の乳首を指で潰すように摘んできた。私の乳首がお餅のように形を変えるたびに、微かな痛みが快感へと、乳首から全身へ広がりゆく甘美な感覚に身悶える。
これまでのセックスでも、織田の責め方はどこかねちっこい。そのねちっこさにじわじわと性的刺激されるのだ。
次はどんな淫猥な内容が書かれているのだろうか。期待が働いてか、早口で音読する。
いつも読ませていただいてます!
寝る直前に読んで目が冴えました笑
自分が見つけられてないだけかもしれませんけど、オダナナの裏って意外と(?)少ないのでめちゃ嬉しいです笑
>risco さん
はじめまして!
あらあら……寝不足にさせちゃってごめんなさい♡フヒヒ
確かにオダナナの裏あまりないですよね!と自分も思ったので、今回書かせて頂きました!喜んで頂けたなら光栄です。
引き続き、宜しくお願いします(^^)
いつも読ませていただいてます。
『もう他の男性の躰では満足させないように、彼女を情慾を火だるまにする—-』この一文に痺れました!
歪んだ深すぎる愛、良いですね。
それもまたオダナナとスズもんらしいかなと。
最高な作品をありがとうございます‼
>sysm さん
いつもありがとうございます。
あああ、それはですね。実は、作中ですずもんが音読している文は実在している官能小説から引用しているんですね。とはいえ、丸ごとは流石にマズイのでちょこちょこいじってはいますが。・・・ということで、いずれ自分も痺れるような文が書けるように精進します!
歪んだ愛が好みでしょうか?実はそのネタも温めてあります!いつかは出しますので、その時はぜひ、悶えてくださいませ♪
ありがとうございます、そう言っていただけるなんて光栄です!