尺八の刑

「えっ?」

 面食らった私は間抜けな返事しかできなかった。

「気持ちよくさせたいんでしょ? 早くしなよ」

 いけぞんざいな調子で猥褻わいせつなことを急き立てる理佐に、私はさらに欲情した。
 分泌機能が全停止したかのように口内がカラカラ、肺が全停止したかのように息ができない。しかし、寂しいアソコはフル稼働なのか分泌がおさまらない。

(やだ、私ってば、すごくやらしい……)

 理佐の顔を直視できない私は、今回のライブで新調された新衣装のワンピースをじっと凝視する。近未来的な装飾で渋谷のビルをモチーフにしたらしい、黒とグレー調のデザイン。軍服要素が僅かながら至るところに見せている衣装。スカートの丈は歴代衣装の中で一番短めで膝が見える。

(女の子らしい衣装の中身には、あのAV女優がしゃぶっていたモノが……)

 ゴクリと生唾を飲み込む。ワンピースの裾を持ち上げて脱がそうとした時。

「おいこら! ちょっと……何してんの?」

 焦った理佐に軽くいなされる。

「え、だって。ワンピースだから脱がさないと……」

 動画の男女は裸だった。脱いでするものだと思っていたんだけど違うのだろうか。理佐は私を無理矢理ひざまずけさせると、ワンピースの裾をわずかに持ち上げて言った。

「脱がさなくていい。そのまま、して……」

 と理佐は言うと、顔を背けながらワンピースを持ち上げた。夕陽に照らされた顔は紅く染まっていた。しかし、どんなに可愛らしい顔をしたところでワンピースの奥には、可憐な顔に似つかわしくない凶暴なおちんちんが待ち構えているのだ。そして、理佐はおそらく無自覚だろうが、その姿はかなり扇情的だった。男性と女性の曖昧な境界線、中性的な魅力が淫らで魅惑的なものに感じられた。

「恥ずかしいから……早くしてってば」

 理佐は弱々しく催促する。言われる通り、スカートの中に潜る。理佐の体温がこもっている。スパッツを脱がすと、下着が現れた。理佐の下着は、トランクスだった。トランクスが突起物によって膨らんでいる。恋のときめきとはまた違った、激しいときめきを覚えた。

 男物のパンツをじっと見つめる。弟はアニメキャラクターがプリントされたブリーフだし、クラスメイトの男子のズボンから覗かせているパンツはボクサーパンツらしかった。理佐のは即席で買ったのだろうか、無地デザインのシンプルなトランクスだ。だから余計。

(ん? 濡れてる……?)

 膨らんでる先っぽが濡れているのが一目でわかってしまうのだ。男性器でも濡れることはあるのだろうか。濡れているということは、理佐も同じく発情してくれてるということなのだろうか。

「……何してんの」

 上から、焦れたらしい理佐が訊いてきた。

「あ、パンツかっこいいなって……」

「しょうがないでしょ、仕方なく買ったんだから」

 私、大人の階段をまたひとつ登るんだ。今時恋愛話で盛り上がっているお子ちゃまな同級生たちより先を行くんだ。そう思うと、興奮と緊張が襲いかかってきて今にも気を失いそうだった。

どきどき、どくんどくん、ばくばく。

 トランクスに手を掛け、下げる。ゆっくりと。途中で、なんか引っかかって上手く脱げない。痛くないように慎重に下げると、ブルンとラバーポールのような棒が跳ねた。隆々と反り返った極太いモノが露わになる。

(あ……やだ……)

 私は思わず顔を背けた。洞窟に潜む得体の知れない生き物のような、恐ろしい生命体が目の前に迫る。私は言葉を失う。
 小さい頃、興奮した犬の勃起した男性器を初めて見た時以上の衝撃に頭が痺れる。生まれて初めて触れる勃起したおちんちん。おずおずと持ち上げると、ずっしりと重量感があった。

(あったかいんだ……)

 全く自信がなかったが、これまで学習してきたエッチな動画の記憶を辿りながら、AV女優のテクを真似てみる。––––が、いやらしく舐めずる勇気はなかった。
 まず、ぺろりと氷を舐めるみたいに、遠慮がちに舐めてみる。味はなかった。香水と、ほんの少し理佐ちゃんの匂いがするだけで。
 キスはおろか、手繋いだこともなかった男性経験皆無の私は、興奮しているおちんちんを前に、どう扱ったらいいのかわからない。緊張で舐めるのがやっとだった。
 私はたまらず、スカートをあげた。

「こら、あげるな!」

 ようやく露わになったおちんちんは、夕陽に照らし出されてはだが光り輝いていた。おおきさも相まってか、神々しさすら感じられた。

「ねー、どうしたらいいかわかんないよ……」

「それ聞く? 予習したことしてつったじゃん」

 動画で見た口淫行為はおちんちんごと口に含めて、しゃぶるように上下にストロークさせていた。恥ずかしくて勇気の出ないことだが、なぜか凶器とも思える理佐のおちんちんを、しゃぶりたいという雌の本能が湧き出ていた。
 思春期真っ盛りの高校生が雄々しい男性器を前に、冷静でいられるはずがなかった。

(あー、私って変態……)

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2件のコメント

  1. こんにちは
    最近こちらのサイトさまを見つけまして、一気読みしてしまいました。
    欅坂の百合が読みたいと思い探していたところ、運命の出会いを果たしました。

    自分でもあれなのですが、かなり歪んだ性癖と申しますか(笑)、どストライクです。

    これからの更新も楽しみにしております。

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    1. >うに 様

      はじめまして。
      「運命の出会い」だなんて光栄なお言葉、大変恐縮でございます。
      たくさんの歪んだ性癖の持ち主がお読みになってるようなので、
      こちらもどんどん性癖を刺激したく執筆してまいる所存です^^ 笑
      ありがとうございます!引き続きよろしくお願いいたします。

      0

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