平手と愉快な仲間たち!ふぉ。

 念願のMステの出演も決まり、アイドル活動は順風満帆だった。 (少しの油断が命取りになる。初心を忘れず、ちゃんと気を引き締めなきゃ––––)  精神を集中させる傍らで、ふあぁぁと思いっきり欠伸をして眼を滲ませている間抜け…

続きを読む →

コットン素材のピンクパンティ

 ミュージックステーションの出演も決まり、「サイレントマジョリティー」は事実上ヒット曲となった。欅坂46結成からデビューまで8ヶ月足らずでここまで、とんとん拍子で階段を駆け上るとは思わなかった。ありがたい事に仕事が増え、…

続きを読む →

警戒してほしいの巻

 急がなきゃ……!    アイドルと学業の両立を目指している私は、ダンスが他のメンバーに比べて、後れを取っていた。後れを取り戻すべく、早朝に向かうと、ダンスのレッスンに励んでいる茜の姿があった。 「おはよう~早…

続きを読む →

空白の17番の子。

「理佐さんって。私のこと、嫌いですよね」  目の前の子は笑顔を浮かべて言った。どこか寂しそうな瞳で私を見つめて。  彼女は長濱ねる。けやき坂のメンバーの一人だ。彼女との出会いは4ヶ月前に遡る。  欅坂46が活動開始してか…

続きを読む →

恋バナ!ふぉ。

 楽屋にて、メンバーたちはガールズトークに花を咲かせている。例の5人はいなかった。そして志田もいなかった。どうやら志田はスタッフからお灸を据えられてるらしい。  トークのテーマは言わずもがな、恋愛だった。一応アイドルグル…

続きを読む →

返事

「返事が……したい」  私が告白した人は優しい笑みを浮かべて、そう言った。それがOKサインなのか、それとも傷付けないように気遣っているのか、全く読めない。しかし、私の気持ちは揺るがなかった。どんな答えであれ、諦めない自信…

続きを読む →

最年少はかつて消極的だった

「てちこ見なかった~?」  びっしょり汗に濡れた今泉がタオルで拭きながら尋ねてくる。 「あー」  そう言った後、考えを巡らす。それでも言葉が見つからず「えっと」と繋いだ。 「ごめん見てないや」 「そっかー残念」 今泉はが…

続きを読む →

感謝したい人の巻

 はぁぁぁ~……!    ステージからはけた後、深いため息を吐いた。これまで吐いてきたため息とは違った、満足げなため息だった。  異常な興奮状態に陥って、コントロールが効かなくなるなんて初めてのことだった。今ま…

続きを読む →

不安。

 ライブは無事に終わった。特に際立ったミスもなく、溜飲が下がった。同時に多くの反省点も見つけた。メンバーたち普段の皆からは想像できない程の全身に闘志を漲らせ、気合いの入ったパーフォマンスを見せた。私も闘志を沸き立たせずに…

続きを読む →

てちこパワー!ふぉ。

 デビューカウントダウンライブ。必死に歌って踊っているうちにいつの間にか時間が経ったらしい。  私はただ平手の勇姿に心奪われてばかりだった。  センターのお手並み拝見と誰もが注目した。しかし、平手の働きは現実を遥かに凌駕…

続きを読む →