心の支えになるひと

 カーテンから漏れる微かな明かりが私の顔に当たり、目が覚める。時計を確認すると朝の5時前だった。 「あ、行かなきゃ……」  ランニングに行かなきゃ。  私は早朝のランニングを日課としていた。始めたきっかけは、体力づくりで…

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井戸端会議。

 今日の平手はなんだかいつもと違って、妙に浮きだっているようだ。気のせいかもしれないが、肌の調子がいいのか、ツヤツヤしてるように見えた。目の下のクマも緩和されている気がした。  菅井と尾関と私。例の5人のうち、3人が皆し…

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様子がおかしい!ふぉ。

 平手はレッスン場の壁にもたれかけながら、ぼーっと放心状態だった。と思いきや、いきなり恥じらいだしたり、開きっぱなしの口からよだれが垂らしそうになるのを慌てて拭ったりしている。  ご覧ください。あれが欅坂46のセンター様…

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ロストヴァージン

 ブラジャーのホックを外す。上手く外せたのがかえって、緊張を生んだ。ブラジャーを上に押し上げると、夢に見た梨加ちゃんの乳房がぶるんとゼリーのように揺らしながら登場する。  白い乳房のてっぺんには色素の薄いピンク色の乳首が…

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隠し事をさせてくださいの巻

 Mステ出演後、興奮が冷めやらずに帰宅すると、愛猫のトムが玄関で私を出迎えていた。丸みを帯びた身体を抱き上げると、折れ耳をぴくりと持ち上げて、ゴロゴロと喉を鳴らしている。 「おかえり、Mステ見たわよ。大変素晴らしかったわ…

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涙の意味。

「志田ちゃんと……エッチとかしたの?」 「は?」  トイレでたまたま葵と二人きりになって最初に聞いた言葉がこれである。あまりにも唐突すぎる質問に、口が開いた。いきなり何を聞き出すのかな、このオマセガキは。 「なんでそんな…

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ヴァージン

 Mステ以降、仕事が怒涛のように押し寄せてきた。悩む暇すら与えてくれないほど、めまぐるしい日々が続く。私は欅坂46の露出が増えていくほど、心の安定を欠いていくのを感じた––––。    休日の昼過ぎ。寮の皆は久…

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一歩前進の巻

 私たちがやすやすと出演していいでしょうか……?    デビューシングル「サイレントマジョリティー」がオリコン週間シングルチャートで初登場一位の記録を飾った。さらには、女性歴代アーティスト最高の記録を更新する快…

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笑ったほうが可愛い。

 初めてのMステは長いようで、あっという間だった。アイドルの最大の武器である笑顔もままならない状態で、ステージに上がりお辞儀する。緊張のせいか、タモリとのトークすら記憶になかった。幸い、自分のトークの出番はなく、ホッとし…

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