4品目

「部活は何してたの?」 「山形出身だよね? あそこって何かある?」 「ダンス上手いけど、なんかしてたの?」  私たちはもう“はじめまして”ではないとはいえ、知り合ってまだ三ヶ月。アイドルという職業を除けば、そこらの女子高…

続きを読む →

初デートの巻

今日はがんばりきの日です……!    京都個別握手会の翌日。私はやや緊張した面持ちで鏡と向かい合っている。  メイクはばっちしか、香水はきつくないか、服装はTPOをわきまえているか。ひっきりなしにチェックをする…

続きを読む →

愛撫の刑

 握手会の後、私はホテルのツインルームに独りでいた。  やけに広く感じるツインルームで一人寂しく宿題をやっている––––のだが、進捗しんちょく状況は最悪だった。空欄のまま綺麗な宿題のプリントを前に、頬杖ほおづえをついたま…

続きを読む →

生誕祭!ふぉ。

 9月11日。幕張メッセ。  今日の個別握手会はすごく特別な日だった。生誕祭が行われる日で、主役の握手レーンだけ華やかに装飾されていた。本日の主役は、私だ。  まず、握手レーンには「18th Birthday live」…

続きを読む →

昏迷

 窓から吹き抜ける湿っぽいそよ風がカーテンを揺らすとともに、陽光が薄暗い部屋の中心にあるテーブルを照らす。テーブルの上には数点の教科書と数十枚のプリントと筆記用具が積もるように散らかっていた。  同じく、テーブルの横にあ…

続きを読む →

三品目

 油っぽい料理は口の中の水分を思いっきり奪っていく。飲み物が進む。愚かにも、炭酸類を頼んだことを後悔し始めるのであった。 「あぁっ!」 ガッシャン  皆、一斉に音がした方に顔を向ける。梨加ちゃんがコップを倒してしまったよ…

続きを読む →

声我慢の刑

 次のお仕置きは唐突に起きた。それは別日の握手会の帰り、新幹線に揺られている途中のことだった。腹から膝下に掛けているブランケットの下、脚と脚の間でもぞもぞと動く“丘”を、私は声を我慢しながら見つめている。  ノーブラ、ノ…

続きを読む →