branch<下>

「いやぁ、今回もすごい客でしたね! ね、土田さん」

「ねー、でも入れ替わらなかったのは初めてじゃない?」

「人間は選択肢が増えれば増えるほど選べなくなって、悩む時間が増えますからね」

「しかも、選んだら選んだで、選ばなかった方の選択肢を後悔しますしね」

「“選択のパラドックス”ですよ。選択肢が多ければ良いというわけじゃない」

「どんなに真面目に生きている人でも、超インテリでも、超金持ちでも、過去を振り返れば後悔しますからね」

「人間は欲深い生き物ですから、どんなにいい選択をしても必ず後悔するようになってる。そういうシステムなんです」

チリン

「いらっしゃいませぇー!」

「いらっしゃい」

 金なし、恋人なし、のいかにもモテない退屈そうな人が来店した。

「あぁ、好きなアイドルが卒業しちゃってモチベも下がって執筆も進まない、と。それは大変ですねえ」

「へぇ『インターチェンジ』……ふーん」

「アイドルなんて腐るほどいると思うんですけどね」

「ほら最近、いろいろ闇深い感じじゃないですか? ドルヲタ活動が嫌になっちゃうのも仕方ないですよ、やっぱ」

「アイドルと付き合っている自分? どれどれ……ああ、いますね!」

「えっ、嘘だろって? いやいや、人生の可能性は無限ですから」

「もちろん会えますし、入れ替わることも可能ですよ!」


 ここは “自分との出会いの場” ですよ––––。

~fin~

2件のコメント

  1. なかなかの奇抜な設定のお話で楽しく、そして最後は前向きな話して面白かったです。
    さくらん坊さんのお話は、実は思い出しては読み返しています。
    既に恋人同士なんだけど、片方の勝手?な気になりごとからお話し、最高です。
    また期待しちゃいますが、こっそりと応援しています。

    1. >ひぃ さま
      ありがとうございます。
      実は当初の構成としてはバッドエンドだったんですよね。
      尾関理佐になって「こんなはずじゃなかった!」的な・・・
      でも前向きに終わりたいのでこのような終わりに締めさせていただきました。

      リピートしてくださってるということかな?お恥ずかしいですが、嬉しいです照
      期待に応えられるよう、頑張りますね!

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