空いてる手でねるの股間に伸ばし、饅頭のような丸みを帯びた割れ目をぱっくりと広げてみる。私が知っている控えめな小豆とは違い、真珠のようなクリトリスが確認できた。
(お、大きい)
肉の真珠を捏ねくり回すと、ねるは髪を振って、肉感的な肢体を狂おしくくねらせた。私の腕にしがみついて、かろうじて立ちの姿勢を保っている。
「はぅンッ! そ、そこぉ……」
ニュチャ、ニュチャ、ニュチャッ。
もっとくねらしてやろうと、泥濘む溝を前後に滑らしたら、指がずぼりと根元まで挿入ってしまった。梨加ちゃんとは違って、少しゆとりのある肉の洞だった。体温以上に熱くて指が灼けそうだった。
(女って、こんなに濡れるんだ)
私の指をもっと食べたいといわんばかりに、キュウッと窄めてくる膣口に、男性ホルモンが活性化されて昂ぶる。激しく指を挿し入れて、ねっとりと淫靡なねるの蜂蜜を掻き回す。
クチュ、クチュ、クチュッ。
梨加ちゃんなら気遣って出来ないことが、ねるなら悦んでくれそうな、そんな気がした。
(絶対変態だもん、ねる)
「んぐぅ……て、てちぃ、あン! 意外と、激しッ……は、ん」
私の予想通り、変態な彼女は眉間に小じわを寄せながらも、嬉しそうに身体をよがらせた。とろりと、淫蜜が垂れてきた。
肉茎をぶち込みたい衝動に駆られた私は、物欲しげに腰をくねらす。挿れたくて、突きたくて、気が狂いそうだった。
ねるは、私のはちきれんばかりの欲求不満を察してくれたのか、ベッドに体を乗せてきた。ねるの裸体が目の前に迫る。
『一緒にプリクラ撮りたい』
ねるが私の上に跨ってきた。おっぱいが目の前にある。心臓が爆ぜる寸前だ。
『んー、ちょっと古いタイプだけど……どう?』
なぜ、私はこんなに全身を熱くさせているのだろうか。
梨加ちゃんと通話しながらの、ねると浮気。アドレナリンが大量に噴出して気持ちよくなってくる。残酷なほどに。私はもはや、正気ではいられない。
私を弄ぶように男根の幹に割れ目を押し当てて、ぬちゃぬちゃと前後にスライドしながら意地悪に擦りつけてくる。
(熱ッ––––)
奥歯を強く食いしばったつもりが、喉詰まりの呻き声を漏らしてしまったらしい。
「うッ!」
私の身体から一気に血の気が引いていく。慌てて、ねるを突っぱねた。すかさず、こほんこほんと、その場しのぎの苦しい演技で恋人を騙る。
『友梨奈ちゃん? 大丈夫?』
万事休す。
それでもなお、図々しくねるが跨ろうとしてきたのを、押して目一杯抵抗する。
「ん、ううん! 少し疲れたみたい!」
パニクるあまり、早口で答えてしまったことを後悔した。現状がよくなることを祈るばかり。
––––もちろん、充分梨加ちゃんを裏切った行為だが、まだ決定的ではない。挿れてなければセーフだ。
私の勝手なこじつけ理論で、今回の過ちを正当化しようとする。
(駄目、これ以上は本当に駄目! 私には梨加ちゃんがいるし、こんないけないこと……)
申し訳ないことに、梨加ちゃんをすっかり心配させてしまったらしく、お見舞いにくる流れになりかけている。
「いや、いい! いい、大丈夫だから」
とにかく今は通話を一刻でも早く終わらせた方がいい。
ねるを押したまま性急な調子で、終わる流れを作ろうと必死になる。
今度は無理矢理跨って来たりはしなかった。それどころか、パンツを履き始めているではないか。私は、なぜか引き止めてしまった。
梨加ちゃんもなかなか頑固な性格をしていたのか、粘ろうとする。
「ごめん、少し寝てから行く。ご飯には間に合うようにするから」
ねるは私が本気で拒否していないこともわかっているかのような、余裕そうな表情で言った。
「いいの?」
私は返事しない。
『分かった……お大事に』
ねるが再び跨ってきた。
梨加ちゃんの健気な姿に胸が痛む。けれど、射精したいというストレートな欲望もまた悩ましくも男––––いや、娚の本音だった。
焦らすように、浅瀬でつぷっつぷっ、と抜き差ししてきた。腰を上に突き上げたい衝動を必死に堪えてみせる、悪あがきしたところで状況が絶望的なのは変わらない。
「––––っ」
梨加ちゃんへの罪悪感。ねるに埋めたくてうずうずしている欲望。私のこの気持ちわかるだろうか。気が狂う寸前だ。
貞操観念にしがみついている利口な私の息の根を止めるように、耳元で囁いてきた。
「ねぇ、私が欲しい?」