ロストヴァージン

「はぁ……」

 梨加ちゃんは悩ましい声を漏らした。
 ヌメヌメしていて、温かな肉壁が指の第一関節を包み込む。探検するように奥へと指を進ませる。指の根元まで収まるが、まだ奥があるらしかった。少しの力を入れて奥へ進めると、コリコリした丸いなにかに触れた。

「これ……何?」

「えっ……なにって……?」

 コリコリした丸いなにかを転がしてみる。

「気持ち、いい……?」

「ん……」

 梨加ちゃんは首を傾げた。奥のコリコリした丸いなにかは快感には繋がらないらしい。ここで、少女漫画の続きを思い出す。

 女性の股間をいじっている男性は手を動かしている描写が蘇る。
 指を引いて、また奥へと進める。前後に抽送を開始すると、愛液が指に絡みついて、くちゅくちゅといやらしい音が鳴る。梨加ちゃんは甘い吐息を漏らしながら潤んだ目で、私が手淫している光景を見つめている。
 一回抜くと、手は梨加ちゃんの愛液で塗れていて、親指とこすり合せて離すと糸を引いた。

「やだっ……あまり見ないで」

 梨加ちゃんは切なげな声で訴えてくる。制される前に、塗れた愛液をパクリと口に含む。

「やだ、汚い……」

 葛湯のような、無味に近い生ぬるさの後に、微かな酸味が来た。私のペニスが痛みを感じるほど、隆起していた。

(もう、限界)

 自分のズボンを一気に脱ぎ下ろす。血をたぎらせたペニスが勢いよく飛び出し、私の腹にペチンと音を立てて一度バウンドした。すでに先端からは我慢汁がにじみ出ている。

 梨加ちゃんの目が大きく見開かれた。おそらく、梨加ちゃんは男性のペニスは見たことがあるだろう。しかし、当たり前ながら、女の躯からペニスが生えているのには見慣れていない様子だった。
 目を瞬かせている梨加ちゃんの股間の前に構える。彼女はハッとしたような表情をして私の腹を押した。

「ま、待って……!」

「えっ……」

(もう、なに? 我慢できないよ!)

「ひ、避妊は……」

「避妊……?」

 そうだった。失念していた。保健の授業でも習った通り、性交する際に“コンドーム”を装着して行わないと妊娠してしまう可能性があるとか。

「避妊具は、持って、ない、けど……」

 興奮しすぎて理性が麻痺しきっている私に“妊娠したらどうしよう”と冷静に考えられる余裕はなかった。

「我慢できない」

 梨加ちゃんは口を真一文字に結んで、困ったような表情をしたあと「中には出さないでね……」と返答した。頷いて私自身を梨加ちゃんの膣口に当てがう。

(あとは挿入するだけ––––)

 先端が梨加ちゃんの愛液に塗れる感触がダイレクトに伝わり、それだけでも果てそうだった。不意に緊張が襲ってきた。ペニスに添えていた手が緊張で震えたせいで少し離しただけで、ぶるんとバネのように跳ねて天を突いているペニス。

「どうしたの、友梨奈ちゃん……落ち着いて?」

 赤く紅潮した梨加ちゃんが、優しく微笑んできた。
 今度はしっかりとペニスを握りしめる。先端を膣口に当てがったあと、身体を押し付けていった。ペニスが梨加ちゃんの膣を押し広げながら、奥へ姿を消していく。
 ペニス全体が生温かい肉壁に包み込まれ「ううっお……おー……」と情けない声を漏らす。自慰とは比べものにならない強烈な快感に身震いする。

 思わず、腰を激しく動かし始める。自分でも驚いていた。こんなに腰を激しく動かすなんて。本能に任せてペニスを抜き差しし、梨加ちゃんの温もりと匂いを受けながら高まっていった。

「友梨奈ちゃ、あっ、ああっ……」

 若く青いペニスの出入りに、梨加ちゃんは切ない息を吐きながら悶えていた。
 普段は天然だけど可愛らしい清楚なお姉ちゃんとして振舞っている時と、セックスしている時のギャップが新たな快感を生み出し、それは何倍にも膨れ上がった。射精してはいけないと思いつつも、腰は勝手に動き続ける。
 脳内に火花が散り始め、初体験の限界は間も無く訪れた。

「う……うっ––––っ……イクッ!」

 身体中を震わせながら、熱い大量のザーメンがほとばしって、梨加ちゃんの子宮を打った。果てた後、射精が鎮まるまで時間がかかった。梨加ちゃんは辛抱強く、私を抱きしめてくれた。

 

「ごめん」

「うん……いいよ」

 暴発させてしまったペニスを抜くと、膣の奥から今さっき私が放った白いものがどろっと溢れてきた。煽情的な光景に私のペニスは射精の直後だというのに、はち切れそうなほど大きくなっていた。
 私は玉のように浮き出た汗を拭ったあと、梨加ちゃんに二回戦を挑んだ。

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