ロストヴァージン

 私は頷いて、梨加ちゃんが履いているルームウェアのレギンスに手をかけて両手で脱がす。梨加ちゃんはとうとうパンツ一枚だけになった。ラベンダー色のレース系のパンツだった。

 いよいよ最後の一枚だ。脱がそうとすると「やっぱり、は、恥ずかしい……」と制してきたが、止まらなかった私はそのまま脱がしていく。パンツが股関節のあたりに脱げると、梨加ちゃんの秘毛が姿を現した。薄めの秘毛はすぐに梨加ちゃんの手で隠された。脱がしたパンツは秘部に触れる部分が、縦長の染みを作っていた。

(これは……濡れてる? 感じてくれてる?)

 確かめたかった私は、梨加ちゃんの手をどけて秘部に触れる。

「あっ……んっ」

 梨加ちゃんはぎゅっと目と口を閉じ、両手でグーを作って朱に染めた顔を隠した。

 他人の女性器なぞ触れたことはない。ましてや私がフタナリになる前の、まだ女性器があった頃に自慰行為をしたことはなかった。私にとって女性器は未知の世界同然だった。
 梨加ちゃんの秘部に触れるだけでそのあとはどうしたらよいかわからなかった。私が困っているのを察した梨加ちゃんは、うろうろしている私の指先を、あるところに導いた。

「ここ……触って……」

 梨加ちゃんが私の中指を引いて、当てがわせたとこは豆のような、微かに突起したなにかがあった。

「ここ? しこってるとこ?」

 しこった小さな豆の上に、円を描くようにこね回すと、梨加ちゃんは「あぁ……」と嬌声を漏らしてよがりだした。指のスピードを速めていくほど、豆はますます硬くなり、梨加ちゃんは身をよじらせる。秘部から生ぬるい液体が溢れ出して、滑りがよくなっていく。そのまま下へ滑らすと、ある箇所だけ窪んでいるのが分かった。

 

 前に買った少女漫画を友達と一緒にきゃあきゃあ、と言い合いながら読んだことがあった。
 内容に性描写はあったが、どれも性器が精密に描かれていない。男性器も、女性器も、白くぼかしているだけであった。男性の手が白くぼかされた女性の股間をいじっていたり、男性と女性の股間が密着しているからして、男性器を女性器に挿入するということは分かっていた。これは保健の授業でも習った通りだ。

 

 本能なのだろうか。探し見つけた洞窟に冒険心で入っていくように、窪みのところへ指を滑らして奥へと進めた。

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