平手side
「大丈夫? 心配し……」
「ちんこ頭って言うなッ!!」
「えっ!? 言ってないし!」
叫びながら起き上がると、辺りは全く見覚えのない部屋だった。理佐は本気で心配してる様子だ。
「はぁはぁ……」
「ちょっと、どうしたの? なにか悪い夢でも?」
「ううん、ごめん。ちょっと、トラウマが……」
「トラウマなの? どうする、帰る?」
ここは過去を掘り返すおぞましき場所、
まさに冥界だ。
しかし、ちん子ちゃんの天使のような顔が浮かんだ。
地獄の中に現れた救世主
神々も恥じらう美しさを備えし
人間と天使とのハイブリッド
尾股ちん子
ここで帰ったら、
私は一生後悔するだろう。
永遠に、ちん子ちゃん以上の女性には
出会えしえぬ存在な気がした。
「ううん! 大丈夫!」
「そう? 無理しないで」
(ちん子ちゃん、すぐにでも会いたい––––)
先ほどの場所に急いで戻って順路を進んでいくと、また人だかりができていた。パンフレットを確認すると、どうやら「ちん子ちゃんのどぴゅどぴゅ解説コーナー☆」を開催しているらしかった。最後列の私は理佐の肩に手を乗せて背伸びしつつ、ちん子ちゃんの姿を確認する。
「今から……ちん子ちゃんの……どびゅどぴゅ解説コーナーを、始め、ます……」
消え入るような声で俯きながらコーナーを読み上げた。目は滲んでいるように見えた。男たちの歓喜の声が上がる。
「うおおお! ちん子ちゃん可愛いよおおお!」
「恥ずかしがらないで頑張ってえええ!」
ちん子ちゃんの隣に並ぶ、不動明王像が威風堂々とした佇まいで見るものを圧倒させていた。そして、股間からは立派な逸物が飛び出している。
逸物……
つまり、ちんこ。
「ぐっ……」
再び、頭が疼く。
過ぎ去りし日々の記憶の
断片が揃うのを
抗うように振り払う。
(くっ、また暴れ出しやがったか……!)
この程度のごときで
闇に支配されてたまるものか––––
「鎮まれ……ッ! 私ッ!」
「……大丈夫?」
理佐が怪訝な顔を私に向けている。
「はぁはぁ、大丈夫……」
「ちんこ」にフラッシュバックを起こして来たが、不思議なことに、ちん子ちゃんの顔を見ると少しずつ和らぐのであった。彼女はちょうど、不動明王の立派な逸物に手をかけている。
(ち、ちん子ちゃん? 一体なにを……)
「お……おちんちんを7回……こうすると、子宝に恵まれます……」
美しい顔を赤らめながら、おもむろに不動明王の逸物をしごき出してるではないか。
(な、なんていじらしいんだ……!)
シュコシュコシュコシュコシュコシュコシュコ……
「うおおおちん子ちゃん! 俺のちんこもしごいてくれ!」
「俺のちんこもこんなんなっちゃってるよ! ちん子ちゃん!」
「うるさ、まじきも」
理佐は腕を組んで、汚物を見るような視線を投げていた。
(エロくて直視出来ないよ、ちん子ちゃん……!)
私の股間は熱を持ちはじめた。股間に全神経が集中していくなんて、初めての感覚だった。とろけていくような甘美な感覚が私の全身を駆け巡る。ふと、ちん子ちゃんと目が合った。唇を噛んだのち、さりげなく微笑んでくるちん子ちゃん。その瞬間、私の股間がドクンと波打ち、何かが熱いものがどっとこぼれたのを覚えた。