プロローグ

夏は少女を可愛くさせる、メイクアップアーティストだ。

 

少女たちは、向日葵ひまわりのような笑顔を見せる。

少女たちは、ノスタルジアな記憶を我々に与える。

少女たちは、はちみつ檸檬れもんのような甘酸っぱい恋をする。

少女たちの時代は花火のように短く、はかない。
だから少女たちは、女性になるまでの間、“可愛い”を頑張る。

 

夏は、少女を変える––––。

 

私たちは、笑わないアイドル。

私たちは、ファンタジーな記憶を貴方たちに届ける。

私たちは、恋愛禁止。

アイドルが輝ける時間は花火のように短く、儚い。
だから私たちは、卒業するまでの間、凝縮ぎょうしゅくした一瞬を舞台の上で弾けるように咲かせる。

 

それでも夏は、私たちを変えた––––。

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